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0915
こんばんは!14のまりです、お久しぶりです(^^)
今日は私もプレゼンをした9/14の勉強会について、ブログを書きたいと思います。

今回の勉強会は「自死」についてです。
皆さんは9月10日が世界自殺予防デーだったのはご存じでしょうか??
日本でも自死のニュースを聞く頻度が増えてきましたし、自死は世界的な問題となってきています。

まずはじめに"自死"とは何か、その定義や歴史についてたくみが話してくれました。
世の中では"自殺"という言い方のほうが主流ですが、"殺"という言葉を使っていることがあまり印象が良くないという点、そして自殺と自死を区別する方法としては、今おかれている状況から逃避するために死ぬのか、それとも自分の判断によって死を選択するのか、という点もあります。
しかしこれらの定義は曖昧で、実際に区別は難しいです。
例えばいじめによる死は自殺なのか、それとも自死なのか。どちらともとれますよね。
個人的には"自死"という言葉を使ったほうが、より死を選択したことに対する尊重の念がこめられる気がします。
そして歴史についてですが、私が印象に残ったのはデュルケムの主張です。
彼は「危機が自死を引き起こす」と言っており、良いか悪いかどちらにせよ社会基盤が大きくゆらぐと自殺率は上昇するそうです。
個人的な誘因からではなく、人間は社会の枠組みに属しているからこそ、そのような影響があるのだなと考えると確かに納得のいく反面、例え良い社会の変化だとしても自殺率が上昇するというのは興味深い分析だと思いました。

次に、海外ではどのような自死の現象があるのかについて、なな、ともみ、さおりがプレゼンしてくれました。
まず、インドでは農業に携わっている方の自死が多く、深刻な問題となっているようです。
例えば先進国からまわってきた肥料を多く使いすぎてしまったことで、その肥料の成分からうつ病になってしまうことがある、というのは驚きでした。
そしてリトアニアは、現在自殺率一位の国となっており、その要因が失業率の上昇であることは現在の景気の動向を色濃く反映していますね・・・・
韓国は最近まで自殺率連続一位で、現在は二位に落ちましたが未だに自殺率は高いです。
韓国では高齢者による自殺が多いらしく、配偶者との死別や経済的な生活苦により自死される方が多いようです。

このように海外の自死の要因は様々ですが、日本の場合はどうなのでしょう?たかがプレゼンしてくれました。
私が印象に残ったのは、自殺率が男性のほうが高い一つの理由として離婚が挙げられていたことです。
離婚をすると、女性の場合社会的に保護される措置が整っているのですが、男性の場合は保護されず孤立してしまうことが多いそうで、その結果自死へとつながることがあるそうです。
自死を離婚という側面から考えたことがあまりなかったので興味深い内容でした。

そして私は日本の刑法と自死の関連性について発表しました。
刑法202条自殺関与・自殺同意罪が自殺の教唆及び幇助を禁じていることから発展させ、安楽死の違法性について申し上げました。
一方スイスやオランダでは安楽死(自殺幇助)が合法化されているのですが、それにより自殺ツーリズムが問題になっているようです・・・自己決定権と命、どちらを尊重すべきかは難しい問題ですね。

最後に、日本とアメリカで行われている自殺予防について、まりりんとあすとがプレゼンしてくれました。
日本では自死された方の遺族のケアをすることが重要で、自死は身近な5人に精神的影響を及ぼすと言われているそうです。
そして自殺未遂は既遂の10倍にもあたるので、本人だけではなく、家族や親しい友人で苦しい思いをしている人もたくさんいるのだということが分かりました。
アメリカでは自殺率がそこまで高くないのですが、その理由として学校でのカウンセラーの役割に加え、ホームスクールや特別学校などが政府から認可されている点も挙げてくれました。
また、心の不調も病気なので、風邪や肺炎と同じように専門家に診てもらうという考えが若年層では浸透しており、日本ほど精神的病を隠す文化はないそうです。

最後に日本の「恥」の倫理基準が、日本の自殺率の高さに影響しているのか。もししているとしたら、その倫理基準を保持すべきか、すべきでないのか」というディスカッションテーマのもと、小グループに分かれて20分ほどディスカッションしました。
前半部分については意見が分かれ、「日本の映画などの価値観に触れているので、何かあった時に選択肢として自死がでてきてしまう」、「自殺するときは文化というよりも、環境からの逃避で自死をするため、そのような倫理基準に左右されているわけではない」という主張などがありました。
また、保持すべきか、すべきでないかは微妙なところで、もし変えていくなら教育で変えていくべき、という意見や、周りが察して、自死を未然に防ぐよう積極的にその人に働きかけるべき、という意見などがありました。

私は、自死を支持するつもりはありませんが、結果的に自死した人を責めることは出来ないと考えています。
私たちが誰かが生きることに苦しんでいることを知った時に出来ることは、直接的に説得することも大切かもしれませんが、その人と関わりを深め、「生きていることも悪くないな」と思わせることではないかと思います。
フロイトが述べるように、人生に生きる意味を見出すというのは一種の宗教みたいなものなのかもしれませんが、生きる理由について自分なりに見出す、または見出す手伝いをすることが私達に出来ることなんだと思います。

Memento Mori-死を忘れるな。死は誰でもいつか必ず訪れるものです。
これを機に死について、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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匿名 URL 2013/08/06(Tue)18:00:54 編集
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非公開
自己紹介:
東京都三鷹市にある国際基督教大学(ICU)の公認サークル。
ユネスコ憲章前文の”戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。”という文章に賛同した学生たちが集まり、身近なところから世界の問題まで、興味を持ったことに関する勉強会を行っています。
活動時間:
火曜日→13:10~13:50:昼ミート@新D371
金曜日→19:10~21:30:勉強会(場所はTwtterやFacebookでご確認下さい)
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